2017年6月9日金曜日

残業代コミコミで給料を考えるのは諦めた方がいい

現在、最高裁で、年収1700万円ある医者の残業代が問題となっています。(というか、1700万円であろうが、残業代をはらえという判決になりそうだという見方が極めて強い状況です)

ふつうは「1,700万円も渡してたら、残業代込みって思うだろ」と言いたくなりますが、法律の立て付けとして、それは無理なんだという結論になりそうなのです。

年収が相当高くても、こう判断されるわけですから、中小企業だと、残業代込みでお給料を与えるのは無理があるわけです。

計算が面倒なので、固定額にしたいような場合には、「固定残業代の定め」など、さまざまなルートを整備しなければなりませんし、固定残業代も限度があるので、結局従業員の勤務時間の把握は必須となってきます。

正直、そんなもんできるのかという話ですよね。

中小企業に迫られるのは、次の2つの選択肢になりそうです。
・そもそも従業員を雇わない
・従業員を雇っても、絶対に残業させない。休日出勤させない。

従業員を雇わず、大きな仕事をしようと思うなら、業務委託が必須となります。
ただ、弁護士が関与せず業務委託契約をしようとすると、「実質は雇用じゃないか」と言われ、結局残業代の問題となることも多いのです。その点で、弁護士のアドバイスは必須です。

中小企業にとって厳しい判断を迫る最高裁の判決となりそうですが、時代の変化を受け入れ、弁護士のアドバイスをもって突き進むしかなくなっているのだろうと思います。

弁護士 杉浦智彦

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