2017年5月31日水曜日

【XVIDEOS】違法アップロードサイトの閲覧は行き着く先までいけるのか【視聴者への執行?】

※この記事は、XVIDEOSへの閲覧を推奨しているわけではありません。私自身はDMMなどで購入した上で見たほうが楽しいと考えています。

猪瀬元知事の件で、一時トレンド入りした”XVIDEOS”というワード。

これ、海外にある違法動画アップロードサイトなのです。

さて、これを閲覧している人も多いのでは?

今日は、法律家の観点から、この問題がストリーミングで閲覧している視聴者にどのように波及するのかということを(民事刑事の双方から)考えてみました。


まず、刑事の問題です。著作権法違反・児童ポルノ単純所持・公然わいせつ罪あたりが考えられるところかと思います。

一つめ、著作権法違反といわれるもので検挙されるかどうかです。

勝手に著作権の及ぶものをダウンロードすることは「複製」として違法です。
しかしながら、ストリーミングについては、「複製」に該当しないと考えられています。(東京地裁の裁判例参照

そのため、著作権法違反で刑事事件になることはありません。


次に児童ポルノ単純所持です。こういう違法アップロードサイトには、児童ポルノが氾濫していると言われています。XVIDEOSではないですが、FC2などでは、よくアップロードされた事件が検挙されているようです。
この「単純所持」にストリーミングのキャッシュが含まれるかどうかについては、実は相当深い議論があります。ただ現時点では、逮捕事例などはなさそうです。ダウンロードしていたという案件ばかりが警察の捜査対象となっているように思います。


最後に、公然わいせつです。これは、結論からいうとアウトです。
よく、ストリップの観客が公然わいせつの幇助になるとして逮捕された報道がありますが、まさに、ストリーミングで見るのは、公然わいせつ(正確に言えば、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪の幇助)として取り上げられる可能性は(法的には)十分あると思われます。
ただ、これが検挙されるのは、一体どういうときなのかという問題もあります。公然わいせつの罪は、多くは現行犯で捕まっています。現行犯以外だと、正直、ほとんど検挙できないというのが実態のようです。

そのため、突き詰めて考えた場合、刑事事件になる可能性というのは、低いというのは言えそうです。
(ただ、見せしめ的にやられることは十分考えられます。)

それ以上に話をしたかったのは民事の問題なのです。

映像の著作権者が請求できるかどうかというのは極めて難しい問題なのです。
まず、「複製」に該当しないわけです。

さらに、仮に損害賠償請求ができるとしても、誰が閲覧したか、それを調査することが本当に難しいのです。

そのため、ストリーミングを見ている側からいえば、民事で突然訴訟を起こされるということは、ストリーミングを見ている限りは可能性は低いのです。

実は、私が言いたかったのは、XVIDEOSを見たほうがいいよという話ではなく、
善悪がはっきりしているからといって、責任を追及することは容易ではないということが言いたかったのです。

せっかく作り出したコンテンツがネットで流出してしまう。当然、勝手に閲覧をしている人は加害者で、コンテンツの著作権者は被害者です。

しかし、その事後的な責任追及は、現在の社会の状況では難しいのです。


ただ、そのような被害を避けるため、さまざまな方策を講じることはできます。
弁護士が関与して、事前によりよい方策を導き出すことができるのです。

予防法務というのは、まさにこのような先端的な問題に対処できる分野なのだろうと思います。

弁護士の杉浦智彦

2017年5月30日火曜日

【違反の場合は】契約書の印紙を節約するポイント【3倍返し?】

契約書の印紙を節約するための話をします。

まず、契約書を作成した場合、一定の文書については印紙を貼り付け、さらに消印することが要求されます。

不動産の譲渡に関する契約書
土地の賃借権設定に関する契約書
消費貸借に関する契約書
請負に関する契約書
約束手形または為替手形
営業に関する受取書(領収書)
などは、印紙が必要になります。

しかも、うっとうしいのは、タイトルだけで判断されるのではなく、中身から判断されてしまうことです。

たとえば、「業務委託契約」は、場合によっては(準)委任契約ですが、ものによっては請負契約で、印紙が必要となります。

印紙を貼らないと、発覚時に3倍の額を納付しなければならない可能性があります(自主申告等の場合は1.1倍)、刑罰もあります。

そのため、軽視できないのが印紙税の問題です。

ここで、弁護士が契約書の印紙を節約するテクニックをお教えします。


 代表的な2つの方法をお教えします。

 契約書を作らない
しかしながら、下請法適用企業などであれば、書面がないことが摘発の事情となり、印紙の摘発を恐れた上での行動としては、あまり望ましいものではありません。
しかも、契約書を作らないと、トラブルが発生した時、言い争いになり、紛争になってしまいます。ルールとして、あらかじめ契約書を作っておくことは、極めて大切なのです。(そのことは、また別の記事で解説します)

2 契約書を電子化する(※あくまで現時点での運用です)
印紙を貼り付けるのは「文書」だけとなります。
ただ、実は、この「文書」にPDFなどの電子文書が含まれるかどうかに争いがあります。
ただ、参議院での答弁でも話題に出ているとおり、現時点での解釈は、電子化されたものは書面ではないという前提のようです。

そのため、契約書を電子化しておくというのは、印紙税を節約する上でとても大切なことなのです。
ただ、電子契約は、改ざんのリスクなど、紙での契約と異なる部分も多く、実は弁護士のアドバイスなくしては行うべきでないのも事実です。

顧問弁護士は、このような印紙の部分までフォローできます。
弁護士の杉浦までお気軽にお尋ねください。

弁護士 杉浦 智彦

2017年5月29日月曜日

【民法改正】保証をさせるのは面倒?回収はどうする【今後の対策】





民法改正の一つのポイントとなる会社債務の保証問題

保証させようとすると、原則として公証役場にいって、公正証書を作らなくてはならなくなります。

問題となるのは、企業として、どうやってワンマン企業と安心して取引するかです。

「会社と取引する」といっても、特に小規模な企業では、実質的には経営者本人と取引するような気持ちで取引をすることが多いはずです。

その場合、どうするのがよいでしょうか。これまでのように、経営者の保証を求めることは避けたほうがいいのでしょうか。



実は、経営者そのものへの保証には、公正証書は不要なのです。(民法465条の9)

そのため、(ペーパーで契約をしなければなりませんが)経営者へ保証を求めることはこれまで通りできるのです。

だから、ふつうの取引は支障なく行えますし、もし経営者から保証してもらいたいのならば、そのように契約書に書けばよいのです。

細かい部分の契約書のご相談は、弁護士の杉浦智彦まで

契約書チェックのコツは、変更してそうなところを探ること

契約書チェックのコツの話をします。 実は、多くの契約書には、「元ネタ」があります。 それは、ひな形であったり、さまざまです。 そして、契約書チェックで多くの弁護士がしているところは、その元ネタと違う部分を探すことなのです。 ひな形のままであれ...